バイクにおける制動距離とは何か
自動車やバイクの教習所での実技講習では、必ず制動距離の体感を行います。
制動距離というのは簡単に言うと「ブレーキを踏んでから完全に停車するまでの距離」のことで、事故予防のためにあらかじめその制動距離分の車間距離をとっておくことが望ましいとされています。
この制動距離の特徴として、スピードが早くなるほど距離が伸びるということがあります。
50km/hで走行している時よりも100km/hで走行している時の方が急ブレーキをかけてもすぐに止まることができないというのは想像することができると思いますが、実際の距離は単純に倍というわけではありません。
実験によるとバイクで50km/hで走行中の制動距離は約32m、100km/hで走行したときの制動距離は約112mと非常に大きな差となっています。
倍どころか4倍近くになっていますが、これは物理の法則で速度が2倍になるとエネルギーはその2乗の4倍になるということが関係しています。
ですので一般道での車間距離と同じつもりで車間距離をとって走行していると、前方に危険があったときの事故被害は2乗ということにもなります。
高速道路は信号機もなく歩行者や自転車などが進入しないことからついついスピードを出したくなってしまいますが、もし事故が起こってしまった時には被害は比較にならないほど甚大になるということは覚悟しておくべきです。
ちなみに制動距離の内訳は「空走距離」と「制動距離」という2つがあります。
「空走距離」というのはブレーキを開始してから実際にブレーキがかかり始めるまでのタイムラグのことで、ブレーキについている遊びや発見から動作に移るまでの一瞬がそこに含まれます。
理想的な車間距離と安全に走行するためのポイント
高速道路を走行する時にはまずしっかり車間距離を取ることを心がけましょう。
バイクの場合、自動車よりも車体が軽いことから接触や強風に弱く、ちょっとバランスが崩れただけでも大きな転倒を招いてしまうことになります。
理想的な車間距離は路面の状況や周囲の車両の流れによっても異なりますが、基本的には前の自動車と100m以上はとっておくようにした方がよいと言えます。
自動車とバイクとでは制動距離が異なりますので、そのあたりも注意して十分に間を開いて運転するようにしましょう。
渋滞時などスピードが十分に出せない状況であっても、前の車両の真後ろにピッタリついてしまっていると急に止まることができず不意の追突をしてしまう危険があります。
自動車の真後ろというのは運転手から非常に見えにくく、後続車がいるとは思わずブレーキを踏んでしまうなどの危険があります。
自分の方から接触をしないように極力努力をするということが高速道路で最も重要です。