近年ブームになってきているオールドルックとは
ここ数年でのバイク業界で一つの流れになっているのが「オールドルック」というジャンルです。
「オールドルック(Old Look)」という言葉から説明をすると、新たに発売された復刻版などクラシックバイクの見た目をしているもののことを言います。
年式の古い本当の意味でのクラシックバイクやビンテージバイクと異なり、オールドルックバイクは搭載されている動力や装備品は最新式の排ガス規制などをクリアしたものでありつつ、クラシックらしい見た目をしているというところが大きな違いです。
なぜこうした流れができたかというと、世界的に年々厳格化している排ガス基準が関係しています。
日本においてもバイク・自動車業界に大きな打撃を与えることになったのが平成28年の排ガス規制で、これにより10年以上も販売されてきたロングセラーの名車が軒並み販売店から姿を消すことになってしまいました。
規制により新車として販売がされなくなってしまったため中古車で求める動きもありますが、やはり年式が古いバイクは現在の構造と大きく異なることから扱いに苦労をすることもあります。
そこでオールドルックは古き良き時代の面影を究極まで再現しつつも、乗りやすさや防犯面においては最新式の装備をしているというところに大きな特徴があります。
最新式の装備品のクラシックバイクのことを「ネオクラシック」と呼ぶこともあり、新しいバイクのジャンルとして定着しつつあります。
現代のテクノロジーを搭載したネオクラシックの人気車種
ネオクラシックのブームの火付け役にもなったのがKAWASAKIのW800です。
こちらはかつての名車「W」シリーズを再現したもので、外観だけを見ればかつてのW1やW3といったモデルとほとんど見分けがつきません。
見た目がレトロなだけでなく、乗車姿勢が楽に作られているなど細かく乗りやすさを追求しているところも特徴的で、年代や性別を問わずに誰でも自由に乗れるところが人気の理由です。
同様の人気車種としてHONDAのCB1100RSやYAMAHAのXSR900といったところもあります。
これらは一見すると普通のクラシックバイクなのですが、丸型メーターは電装式のデジタルメーターとなっていたり、ハンドル部分にはグリップヒーターが搭載されていたりなど、クラシックモデルと最新バイクのいいところがうまい具合に組み合わされています。
海外メーカーのバイクでもネオクラシックの動きは進んでおり、有名なところではモトグッツィのV7レーサーやトライアンフのボンネビルT120といった欧州メーカーでかつて世界大会を制した名車を現在のテクノロジーで蘇らせるという戦略が行われています。
クラシックな見た目は好きだけど中古車は管理が大変という悩みがある人も多いことと思いますので、そうしたネオクラシックは大変おすすめできます。